上高地とは
穂高連峰や焼岳といった名峰に囲まれた、標高約1,500mに位置する上高地。清流・梓川沿いなど歩きながら、大自然が織りなす美しい景色が楽しめる国内有数の山岳景勝地です。
明治以降、英国人宣教師のウォルター・ウェストンの著書や芥川龍之介の小説で広く知られ、国の名勝や天然記念物に指定されると、さらに多くの人が訪れるようになります。しかしバスや車の乗り入れが頻繁になると、自然への影響も懸念されるように。そこで排気ガスの影響を最小限にと、1975年にマイカー規制を開始。「この大自然を次世代へ」という思いから、他にも多くの人々がさまざまな努力をしています。
そうして現在も守られている上高地の美しい風景と清々しい空気を、一度は体感してみてはいかがでしょうか。
散策しながら絶景スポットへ
自然研究路
バスターミナルから坂巻方面と横尾方面、左右に分かれます。どちらの方面へも梓川に沿った自然研究路を歩けば、人気の絶景スポットも点在。今回は主なものを4ヶ所紹介します。
穂高連峰を映す、まるで鏡のような美しい水面も、大正池の魅力ですね
周囲2.4㎞以上、深さ3.9mの、上高地最大の美しい池です。焼岳噴火によって出来たこの池は、かつて豊富な水量を利用した電力資源として、相当な発電量を誇っていたことも。
原生林の中から清らかな水面がパッと現れる池。晩秋の霧氷もおすすめ
湿原の中にある、まるで水田を感じさせるような浅い池です。四季を通じて美しい景観が楽しめますが、ニッコウキスゲやコケモモが周囲を彩る夏は、箱庭のように美しいそう。
河童橋の賑わいは「上高地銀座」と呼ばれるほど。橋名の由来は諸説あり
バスターミナルからほど近い、上高地のシンボル的な橋です。芥川龍之介の小説にも登場します。橋上から望む穂高連峰や焼岳の姿に魅了された人々で、いつも賑わっています。
明神岳からの伏流水で、冬も凍結しない透明感ある池は神秘的な雰囲気
河童橋から1時間余りの明神橋の先にある、大小2つからなる池です。畔は穂高神社奥宮が鎮座する神域であるため、神池とも呼ばれるそう。10月8日には例大祭も行われます。
散策中にひと休みできる
休憩スポットも点在
中の瀬園地などトイレのあるスポットも点在。安心して散策を楽しんで
市街地に比べてさわやかな上高地ですが、歩くコースによっては数時間になることもあるので休憩は必要。ウェストン碑近くにある「ウェストン園地」などのほかカフェ・食堂なども点在するので、無理せず自分のペースで楽しむようにしてください。
あずまやを備えたウェストン園地。霞沢岳などの眺望も満喫できます
散策前に情報収集を
上高地インフォメーションセンター
どこに何があるのかなど、散策前には情報収集も必要ですね。バスターミナルの隣のインフォメーションセンターなら、上高地のさまざまな情報が集まっているので便利です。
営業時間:8:00~17:00
営業期間:4月下旬~11月15日まで ※期間中は休みなし
電話番号:0263-95-2433(冬期94-2537)
動植物に出会えるかも!?
清らかな水辺では、美しいオシドリなど、水鳥たちが寛いでいることも
上高地では、さまざまな動植物との出会いも期待できます。ニホンザルやニホンリスが生息。野鳥ではキジバトやコゲラなども現れるそうです。ほかにも美しい蝶や様々な高山植物を見ることもできるそう。歩きながら周囲の動植物にも注目してみて。
セミなどさまざまな昆虫も。蝶は約50~60種類が生息しているそう
ルールを守って
楽しく上高地散策を
上高地では普段は見られない美しい景色や珍しい動植物など、楽しい出会いも多いはず。だからといって自分勝手な行動をしては周辺の人々にも迷惑をかけますし、これまで守られてきた環境を破壊してしまうこともあります。以下の「上高地5つのルール」を守って、この地ならではの自然を楽しめる、そして次世代へそれを継承できるよう、訪れる私たちも心がけましょう。
●植物や昆虫などの生きものを採らない。
●野生動物にエサを与えない。
●ペットや外来生物を持ち込まない。
●ゴミはすべて持ち帰る。
●歩道を外れて歩かない。
写真撮影時には他の人の迷惑にならないよう、そして譲り合うことも忘れずに。また山の天気は変わりやすいので雨具や上着を用意して。靴はトレッキングシューズやスニーカー、服装も動きやすいもので出かけましょう。
上高地周辺マップ
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