この泉質はどんなもの? 温泉の匂い

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温泉にはいろんな泉質があって、いろんな色がある、などはこれまでも紹介してきましたが、今回は「匂い」についてのお話です。
温泉にはそれぞれどんな匂いがあるのでしょうか。


代表的な温泉の匂い その正体は?


温泉の匂いで代表的なものというと、「ああ、あれね」と皆さんがすぐに思い浮かぶものがありますね。そう、あの卵が腐ったような匂い、温泉地で感じたことがあるという方、多いのではないでしょうか。
これは硫黄泉に多い匂いですが、その元となるのは硫化水素。一般的に〝硫黄の匂い〞なんていわれますが、実は硫黄の匂いということではなく、この硫化水素の匂いなのだそうです。
また硫黄泉は乳白色やエメラルドグリーンなどいろいろな色に変化するという温泉。冬には雪景色の中で乳白色のにごり湯に入る、なんていうのも素敵ですね。



そのほかの泉質の匂いは?


温泉の匂いというと、どうしても硫黄泉の匂いが有名ですが、ほかにも匂いのある泉質はあります。それではどんな泉質に、どんな匂いがあるのでしょうか。


 ① 塩化物泉

 保温効果が非常に高いことから「熱の湯」とも呼ばれる塩化物泉。寒さがより厳しくなるこの季節にぜひ入りたい温泉ですね。保温効果が高い理由は、含まれる塩分が毛穴をふさぐことで、汗の蒸発を防ぐからなんだそうです。
この塩化物泉の匂いは、刺激が弱いものではあるものの、臭素臭があるそうです。意識して嗅いでみないと気付かなかったなんて方も多いかもしれませんね。塩化物泉は、日本ではわりと身近にある泉質ですので、今度から塩化物泉に入る時には、匂いも意識して利用してみるといいかもしれませんね。


 ② 炭酸水素塩泉

 お肌をツルツルにしてくれると人気の炭酸水素塩泉。また入った時に清涼感のある湯なので、夏におすすめの泉質ということでもご紹介したことがありますね。この泉質は独特の薬臭のほか、金気臭もすることがあるそうです。


 ③ 硫酸塩泉

 塩化物泉と同じように保温効果が高いと言われる硫酸塩泉。主な陽イオンの成分によって芒硝泉・石膏泉などに分類されます。なかでも匂いを感じるのは傷に良いといわれる石膏泉。焦げたような匂いを感じるようです。


 ④ 二酸化炭素泉

 いわゆる炭酸泉のことです。ヨーロッパでは古くから「心臓の湯」と言われ、療養泉としても利用されてきた炭酸泉。日本でも人工の炭酸泉は多くの施設にありますが、天然の炭酸泉は大分県の長湯温泉などとても稀です。なかなかその匂いを体験することは難しいかもしれませんが、無臭に近いそうです。


 ⑤ 含鉄泉

 含鉄泉は、湧出時には無色透明で、酸素に触れることによって茶褐色に変化するというのは、以前にもご紹介したことがあると思います。飲用することで、貧血にもおすすめの泉質ですね。色に関しては、含まれている鉄分によって変わってくるようですが、匂いはやはり鉄が含まれているだけに鉄さびっぽいそうです。


 ⑥ 酸性泉

 群馬県の草津や秋田県の玉川などに代表される泉質です。殺菌作用があるということで皮膚病によいといわれていますが、入浴すると肌にピリピリと刺激を感じるので、長時間の入浴を避け、上がり湯をかけるといいといわれていますね。酸性泉の匂いは肌に刺激を感じるように、少し刺激臭があります。


 ⑦ 単純温泉

 日本にある温泉の約40%がこの泉質といわれるほど多い、単純温泉。なかでもアルカリ性の単純温泉は、美肌の湯としても注目されている温泉ですが、匂いとしてはほぼ無臭のものが多いそうですよ。


 ⑧ 放射能泉

 万病に効くと昔から言われ、痛風などにも良いという放射能泉。吸入の方がより良いと言われていることは、以前のゆ〜ゆでもご紹介しているかと思います。匂いに関しては、放射能泉も基本的に無いそうです。



温泉のいろいろな匂いを楽しもう!


硫黄泉の湧出する地では意識しなくてもいわゆる〝温泉らしい匂い〞を楽しめるかもしれませんが、ほのかな匂いの泉質もあるようですし、意識しないとわからないものもあるようですね。また同じ泉質でも、もしかしたら違う匂いがあるかもしれません。これから温泉に入りに行った時には、ぜひ注目してみて下さい。温泉の楽しみ方がまた1つ増えるのではないでしょうか。
ただし、あくまでも浴槽で浸かりながら、その温泉の匂いを楽しむようにして下さいね。



いかがでしたか?
冬休みなどに温泉旅行を計画されている方などは、お湯に浸かった時に、その温泉の匂いもぜひチェックしてみて下さい。

【参考文献】松田忠徳著 温泉手帳(東京書籍)


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