爪は健康状態を映し出す鏡
ここ数年来、ネイルアートが大流行。以前は、付け爪などしたらお米が研げなくなるなどの理由で断念していた女性も多かったと思います。
けれど今では、はがれにくく色落ちの心配がない素材のジェルネイルが主流となり、季節に合わせた様々なデザインネイルでお洒落を楽しむ女性が急増。
爪のお洒落をすると気持ちも華やいでウキウキしますよね。
ネイルアートの人気に伴い、自分の爪の色や形などを見たり気にしたりすることも少なくなってきましたが、昔から「爪は健康のバロメーター」と言われています。
医療の現場でも健康状態を見る時に爪をチェックします。爪の異常は内臓と関連しているとされ、中医学では病名が判断できない未病の診断方法として爪を診察します。
爪の下には毛細血管が集中しているため、血液循環や代謝、栄養状態が悪いと爪の色や形に反映するようです。
爪のことを知ろう
指先に当たり前のように付いている爪ですが、ゆ〜ゆな皆さんは爪そのものに興味を持ったことはありますか?
女性ならお洒落する場所、男性なら貼り付いたシールなどをはがしたりする時に必要なもの、伸びてきたら切るものなどという認識かもしれません。普段、爪について考えたことはないと思いますが、この機会にあらためて爪のことを知っておきましょう。
爪は手足の指を保護し、指先の感覚を敏感にし、細かい物をつかむことができるようにしてくれます。
また、指先に力を入れてしっかり歩くことができるのも爪があるからです。
爪の構造は、爪が皮膚の下に入り込んでいる部分を「爪母(そうぼ)」と呼び、ここで爪が造られます。爪母から指先に伸びた部分は「爪甲(そうこう)」、爪甲の下の土台部分は「爪床(そうしょう)」と呼ばれています。
爪床には毛細血管が集中しているため、血流や代謝の状態が良い状態だと爪は薄いピンク色になります。
また爪床から爪甲に水分が補給されているので、健康状態が良い時は爪の表面もなめらかです。
爪の成長は健康な人で1ヵ月に約3㎜、指の付け根から指先まで伸びるのに約6ヵ月かかります。足の爪は手の爪よりも厚く、伸びるのも手の爪の1/2〜1/3の速度だそうです。
「爪は呼吸をしていると」言われていますが、実際には呼吸はしていないので、ネイルアートやカラーを塗っても極端に爪にダメージを与えることはありません。
けれど、爪の水分の蒸発を妨げられるので爪は弱くなります。
また、ネイルアートを外したり、マニュキュアを除光液で拭き取った後に爪が黄ばむのは、爪の成分のタンパク質が反応したり色素沈着を起こしているからです。
爪で健康チェック
爪の状態は年齢や生活環境によっても変化するので、それほど神経質になる必要はありません。
しかしながら、血液の循環、健康状態、栄養状態が悪かったり、不摂生な生活が続くと爪の伸びが遅くなったり乾燥したり色や形が変わったりするので、自分の体調を知るためにも時々チェックしてみましょう。
●色
白い…貧血、腎臓障害、過労、神経衰弱
黒い…メラニンの増加、肝硬変、ホルモンバランス
赤い…多血症、一酸化炭素中毒、脳血栓
黄色…新陳代謝の低下、リンパ浮腫、薬剤の影響
●形
スプーン状…鉄欠乏性貧血、甲状腺
二枚爪…貧血症、血行不良、冷え性、乾燥
縦筋…老化現象、睡眠不足、過度のストレス
横筋…過去の体調不良
*爪母から2〜3㎜→1ヵ月前
●その他
半月部がない…体力低下
横広(押しつぶされたような爪)…心臓、呼吸器疾患
あくまでも関連性がある症状ですので、気になる場合は医師の診断を!
爪を造っている爪母の下は、静脈と動脈が切り替わる大事な場所でもあります。
先細りの靴やハイヒールなどで足先を圧迫し続けると、血液循環が悪くなり、むくみや血流障害などを引き起こす原因になるので、できるだけ爪に負担がかからないようにしてあげましょう。
ネイルのお洒落もステキですが、たまには自分の素爪の状態を見て体調と照らし合わせてみるのも大切です。爪チェックで自身の健康状態を察しながら、上手に体調コントロールしてください。