自然のリズムと調和する生活
太郎が二拠点生活にこの場所を選んだ大きな理由は、夜明けと夕暮れの景色です。「ブルーモーメント」はテレビドラマの題名にもなっていますが、別に気象予報をするわけではなく、この時間帯に縁側に座り、ぼーっとして刻々と変化する森を見るのが大好きなのです。高齢者の目覚めは早く、時間だけは余るほどありますから。
朝焼け・夕焼けというだけではなく、四季折々に山の木々の緑が変化していく様子は「自然ってすごいよ!」と語りかけてくれますし、小鳥たちのさえずりは「もう少しで夜明けだよ! 今日は雨は降らないよ」と聞こえてきます。そしてシジュウカラたちは「餌台にヒマワリの種を追加してね!」とおねだりしてきます。
1年を通じて昼が長い今が一番静寂を長く楽しめる瞬間なのです。今年の夏至は6月21日、これを境に昼間の時間が短くなっていきます。都会で暮らしていては体験できない至福の時間が、今秘密基地には流れています。
諸星 敏博
有限会社ライフラボ代表 / 一般社団法人 温浴振興協会 代表理事
1953年生まれ。温泉大国長野県で身近に温泉を感じながら子ども時代を過ごす。その影響か、「温泉を楽しむこと」がライフワークに。1990年~2000年代にかけて起きた温泉ブームに、より多くの人に温泉に親しんで欲しいという思いから「お風呂で得するフリーマガジン ゆ~ゆ」を創刊。その傍ら、より安全に気軽に温泉を楽しめるよう各温浴施設のコンサル業務も行い、現在までに50数施設の支援に当たっている。