温泉・温浴の四方山話「第5回・ハレのお風呂、ケのお風呂」

ゆ〜ゆ本誌にて2013年まで連載していた「お風呂の四方山話」が令和版「温泉・温浴の四方山話」として復活! 愉湯太郎が伊豆高原の秘密基地よりお届けいたします。「風呂超爺・太郎の二拠点生活blog」とあわせ、ぜひお楽しみください(編集部)。

天空のお風呂?

 太郎は高所恐怖症なのですが、お風呂は別物です。高台にある見晴らしの良いお風呂はいいですよね。以前、ゆ~ゆの表紙を飾った長野県小諸市「高峰温泉」の露天風呂は山並みを望む高台の温泉。数人入ったらいっぱいの小さなお風呂です。

 一方、秘密基地のそばにある赤沢日帰り温泉館は海を望む高台の温泉です。露天風呂に首まで浸かって海を眺めると、お風呂の水面と海が一体化します。浴槽の縁を平らではなく、斜めに処理することで一体感が生まれます。天気が良い日の夕暮れ時に入ると格別ですよ。

 お風呂ではありませんが、シンガポールのホテル「マリーナベイ・サンズ」屋上のインフィニティプールからの眺めはまさに大天空風呂です。海外のお風呂(?)では水着着用が一般的ですから、プールではありますが、暑い日は水温が上がっていますのでお風呂だと言えばお風呂です。

温泉・温浴の四方山話「第5回・ハレのお風呂、ケのお風呂」
温泉・温浴の四方山話「第5回・ハレのお風呂、ケのお風呂」

 このインフィニティプールを体験するためだけに、マリーナベイ・サンズに泊まりました。お風呂人生で一番高い入浴料でした!

町の銭湯

 横浜で仕事をしているときに利用するお風呂は近くの公衆浴場。自転車で10分以内に3軒のサウナ付き銭湯があります。横浜市の利用料金は490円。サウナ料金は銭湯によって違いますが、半露天付き・人工炭酸泉の「ねぎしの湯」は込々850円。他の2軒は650円前後です。いかに施設が充実したスーパー銭湯の利用料が安いかわかりますか? その上、公衆浴場は上下水道料の減免などの助成も受けているんです。

 昔の話ですが、銭湯は戦後の公衆衛生の一翼を担う施設として位置づけられていました。太郎も風呂なしの家に住んでいましたので、大家さんのお風呂の終い湯を借りるか、銭湯に行くかという小学生時代を過ごしました。銭湯で知り合いの親父さんの背中を流して牛乳をごちそうしてもらったり、騒いで怒られたり……と、銭湯で教えられることもたくさんありました。

温泉・温浴の四方山話「第5回・ハレのお風呂、ケのお風呂」
画像はイメージです

 スーパー銭湯で「銭湯を知らない世代はお行儀が悪い!」というお小言をもらうことが多いのですが、どうしてどうして。シニア世代にも「いい歳して……」と思うことが、太郎にはたびたびあります。そんな時はゆ~ゆのマナーポスターを指差したくなります。

 最近、銭湯で驚くことは、サウナキャップをかぶった人がサウナを利用していることです。銭湯ではサウナは別料金ですから気を付けてくださいね。


風呂超爺・太郎の二拠点生活blog

諸星 敏博

有限会社ライフラボ代表 / 一般社団法人 温浴振興協会 代表理事

1953年生まれ。温泉大国長野県で身近に温泉を感じながら子ども時代を過ごす。その影響か、「温泉を楽しむこと」がライフワークに。1990年~2000年代にかけて起きた温泉ブームに、より多くの人に温泉に親しんで欲しいという思いから「お風呂で得するフリーマガジン ゆ~ゆ」を創刊。その傍ら、より安全に気軽に温泉を楽しめるよう各温浴施設のコンサル業務も行い、現在までに50数施設の支援に当たっている。


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