健康寿命を脅かす生活習慣病
平均寿命が伸びている現在。
長い人生において、健康に過ごせる年月「健康寿命」が長いに越したことはありません。そのために重要なのが「未病を治す」こと。
これは前回ご紹介したとおり、適切な運動やバランスの取れた適度な量の食事を中心とし、健康な状態を維持する、または改善することです。
では「未病を治す」取り組みをしないと、何が懸念されるのでしょうか。
一番心配されるのは、やはり「生活習慣病」です。
生活習慣病には肥満症・糖尿病・高血圧症・高脂血症・がんなどがありますが、その先にもさまざまな病気が待っています。
生活習慣病へのプロセスとその後
それでは、具体的にどのようなプロセスで生活習慣病となり、その先まで進行してしまうのでしょうか。
1 不健康な生活習慣
その名のとおり、まずはみなさんの生活習慣が要因となります。
エネルギー・食塩・脂肪の過剰摂取という不適切な食生活。そのほか運動不足や過剰なストレス、飲酒や喫煙なども不健康な生活習慣です。
これらを継続した生活を送ることで、肥満・高血糖・高血圧・高脂血という内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームの予備群となってしまうのです。
2 内臓脂肪症候群の生活習慣病
内臓脂肪症候群の予備軍となってもなお不健康な生活習慣を続けると、内臓脂肪症候群としての生活習慣病を発症します。
具体的には肥満症・糖尿病・高血圧症などです。
ちなみにがんについてはさまざまなものがありますが、肺がん・咽頭がんなどについては、喫煙によって発症リスクが増大するそうです。
3 重症化や合併症の発症
病気を発症した後も生活習慣が改善できない場合には、さらに重症化していきます。
心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患や脳出血・脳梗塞等の脳卒中。
また糖尿病の場合は失明に及んでしまったり、人工透析が必要になるなどの合併症も考えられます。
4 生活機能低下による要介護状態
そして、それらの病気ののちには、半身の麻痺など日常生活における支障をきたしたり、認知症を引き起こすことによって、要介護状態になってしまうことも考えられます。
〝このくらい大丈夫だろう〞と不健康な生活習慣を続けていくと、健康寿命がどんどん脅かされてしまうのですね。
「未病を治す」が重要
もちろん、遺伝や感染症が原因となる場合もありますので、全てというわけではありませんが、生活習慣を改善することで病気の発症や重症化を防ぐことは十分にあり得るということです。
どの段階でも次への進行を抑えることはできますが、やはり「境界領域期」と呼ばれる予備群の段階で生活習慣の改善をすることが、生涯にわたる生活の質を維持するうえで重要なのです。
つまり「未病を治す」ことが、生活習慣病にも重要なことになるというわけです。
温泉と生活習慣病の関係
リラックスしてストレス解消、運動にもなる温浴施設の利用は、「未病を治す」一つの方法としてぜひ取り入れていただきたいと思います。
ただ、温泉の中には生活習慣病におすすめの泉質もありますが、生活習慣病の症状によっては合わないものもあります。
まずご自身の状態を把握し、適応症・禁忌症など確認してからご利用して下さい。
いかがでしたか?
いま自分がどの段階で、何が必要か、この機会にあらためて考えてみてはいかがでしょうか。
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