伝統行事の風習をお風呂でも お風呂の歳時記

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旬のものや、風習にちなんだ素材のお風呂は、これまでも紹介してきましたが、今回は風習そのものにまつわるお風呂の話を、ゆ~ゆ的提案も含めて紹介します。
四季の移ろいが楽しめるわが日本、それぞれの季節でどんなお風呂の入り方があるのでしょうか。

 spring


春の訪れが近づく3月に入ると、桃の節句、ひなまつりです。雛人形を飾りますが、地域によってそのスタイルもさまざまですね。あまり一般的ではないかもしれませんが、桃の葉を入れたお風呂に入って、無病息災を祈るという風習もあるそうです。

4月は「雁風呂」。これは秋に雁が海を渡る時、海上で休むための小枝をくわえて飛び、春に再び海上を渡る時に使うため、浜辺に落としておくそうですが、冬に命を落とした雁の枝が、春に残っていることがあるそうです。雁の供養としてその枝でお風呂を焚き、旅人にふるまったという、ちょっと切ない津軽地方の民話を元にした、春の季語だそうです。

そして5月に入ると端午の節句。「菖蒲湯」に入るのはご存知ですよね。菖蒲湯に入るというのは、江戸時代に日本で始まった風習のようです。その香りが邪気を払い、無病息災を願うのですが、血行促進など、実際に体にとってもおすすめのお湯です。

菖蒲湯(しょうぶゆ)菖蒲湯(しょうぶゆ) / yto


 summer


夏といえば七夕。織姫と彦星のお話は有名ですが、それ以外の伝説などが結びついて、今のようなスタイルになったと言われています。願い事を書いた短冊を笹に飾りますが、これは江戸時代に広がったものだそうです。また麦などの収穫祭の意味で、そうめんを食べる風習もあるそうですよ。さらに水浴びで清めるというならわしもあるそうです。馬や牛に水をかけてあげたり、子どもに水浴びをさせることもあるそうですよ。

そしてもう一つは「土用の丑」があります。土用の丑と言ったらうなぎを食べるのでは?そう考えがちですが、実はこれ、江戸時代に平賀源内が、鰻屋さんに客を呼び込むために助言して始まったという風習だそうです。ほかに「う」の付く物を食べるのも良いといわれています。そしてこの日に入るのが「丑湯」。もともと禊の意味があったそうですが、この日にゆっくりお風呂に浸かれば、病気をしないといわれているそうですよ。


 autumn


9月9日は重陽の節句。これは菊の節句と言われ、無病息災や長寿を祈る日だそうです。花びらを浮かべた「菊酒」を飲むことや、当日に摘んだ菊の花を干して詰める「菊枕」などが風習としてありますが、菊の花びらを浮かべた「菊湯」に入るのもいいそうです。豊かな菊の香りを楽しめ、とてもリラックスできるそうですよ。

もう一つ秋と言えば、中秋の名月を楽しむ「十五夜」。お団子などを供えて、一年で最も美しいという月を鑑賞しますが、美しい月をお風呂で眺めるというのはいかがでしょうか。家のお風呂では無理、そんな方は、月を見ることができる近くの温浴施設へ出かけるといいですね。また十五夜を見たら次の十三夜にも月見を楽しむのが風流だと言われていますので、その日も月見風呂を楽しみに出かけてみてはいかがでしょうか。また十五夜や十三夜は年によって日にちが違います。2015年は十五夜が9月27日、十三夜が10月25日となるそうです。


 winter


珍しい風習としては、奥能登で12月5日に行われる「あえのこと」。その年の収穫を感謝し、来年の豊作を祈るお祭りで、家の主人が田の神様を家へ案内して、ごちそうやお風呂でもてなします。田の神様には、そのまま家にいていただき、2月9日に元の田へお送りするそうです。神様がお風呂も楽しむということですね。

そして次は冬至の「ゆず湯」です。家や温浴施設で体験したことがあるという方も多いのではないでしょうか。かつては冬至が一年の始まりだったそうで、ゆずの香りや成分により、身を祓い浄める意味があったとも言われています。いずれにしてもゆずの香りもとてもリラックスできますよね。

今夜はバーハウスの大浴場でゆず湯。今夜はバーハウスの大浴場でゆず湯。 / takamorry

そして年末。大晦日に入るこの年、最後のお風呂のことを「年の湯」、年が明けて初めて入るのが「初湯」といいます。ただし初湯は、もともと一日に入らず、二日の昼間に入ったお風呂なのだそうですよ。

初湯は季語でもあるそうですよ。



いかがでしたか?

お風呂にまつわる伝統行事は一年を通じてたくさんあるものですね。

ぜひ今年は伝統行事のお風呂を楽しんでみて下さい。中には温浴施設などで行われるお風呂もありますので、機会があればお出かけになって下さい。

【参考文献】暮らしのならわし十二か月(飛鳥新社)、日本の七十二候を楽しむー旧暦のある暮らしー(東邦出版)、おうち歳時記(朝日新聞出版)


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