「すってはくこと」が生きること
「呼吸」は、なにげなくしていますが、まんま生きることです。「おぎゃあ」の瞬間から「息を引き取る」まで、我々とは切っても切れないのが呼吸です。
息を吸う時(吸気)は収縮期血圧(高いほう)が下がり心拍数が増加。息を吐く時は収縮期血圧が上がって心拍数がゆっくりになります。
呼吸を整えることは自律神経のバランスをよくすることが知られていて、健康法もたくさん提案・実践されています。太極拳、ヨガ、エクササイズ…、どれが最も優れているかはわかりませんが、きっとどれも良いのではないでしょうか。呼吸を意識することは、生きることを意識すること…、のような気がします。
話は飛びますが、呼吸を意識することができる空間。それがお風呂です。
女子力UPワンポイント「酸素に感謝してみよう」
お風呂に入ったときに出る声って、みなさんはなにが多いと思いますか? 私は温泉や銭湯に行くたびに耳を澄ますようにしています。20年程度の温泉・お風呂探訪経験で聞こえて来たトップ3は…
3位 きもちいいいいいい…
2位 ごくらくごくらく
べたな感じもしますが、小さいお子さんも多かったりするんです。少々意外ですが、大人の真似するのでしょう。
そしてダントツの首位は…
1位 「ふうああああ゛あ゛あ゛あ゛あ」
……いや、男子風呂限定なんですけど女子もやりますよね。いや、やるにチガイナイ。
理由は簡単、静水圧です。全身浴でぐぐぐぐと水圧がかかると、横隔膜が押し上げられて肺を圧迫。たまらず空気が押し出されるので、出てくるのが、「ふうああああ゛あ゛あ゛あ゛あ」。
さて、そんな訳でお風呂の中では肺に負担がかかっていますから、いつもより呼吸を意識しやすくなるってことで、息を吸いきってみたり、吐ききってみたり…。ゆったり大きく呼吸をすると、腹式呼吸や胸式呼吸の感覚が研ぎ澄まされていくというのが私の自説です。酸素は人間にとってガソリンみたいなものですから、お風呂の中でちょっと呼吸を意識してみると、女子力UPにつながるような気がしています。
コツは吐くほうに意識を向けること。深呼吸を繰り返すと、心拍数も徐々に減少し、リラックスできること請け合いです。埼玉医科大学リハビリテーション医学の倉林均教授は、次のような水中呼気法を提唱なさっています。
まずは、38℃程度のぬる目のお湯に首までゆっくり浸かります。
①深く息を吸い込んだ後
②口と鼻を水面から2〜3㎝もぐらせます
③ゆっくりと口から息を水中に吐きだして
④口を水面から出しましょう
このサイクルを繰り返すことで、呼吸機能が高まることが実証されています。本来は運動浴槽で行いますが、家庭のお風呂や温浴施設のお風呂でも同様の効果が得られます。
皆さんもぜひ、試してみてはいかがでしょうか。
著者: 後藤康彰
日本健康開発財団 温泉医科学研究所主席研究員
出典: 旅とワインとワンコが大好きな出版社
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