温泉・温浴の四方山話「第13回・レジオネラ菌」

温泉・温浴の四方山話「第13回・レジオネラ菌」
ゆ〜ゆ本誌にて2013年まで連載していた「お風呂の四方山話」が令和版「温泉・温浴の四方山話」として復活! 愉湯太郎が伊豆高原の秘密基地よりお届けいたします。「風呂超爺・太郎の二拠点生活blog」とあわせ、ぜひお楽しみください(編集部)。

温浴施設での衛生管理について

 皆さん、温浴施設で浴槽のお湯を試験管らしきものに採取しているのを見たことはありませんか? 実は、1日に数百人以上の利用者を迎える温浴施設では、浴槽のお湯の状態を日に何度か調べています。しかし、利用者が日に数十人の宿泊施設や源泉かけ流しの浴槽では、それほど神経質になっていないのが現状でしょう。

 今回の悲しいニュースも、大浴槽だから、かけ流していたから……という過信があったのでしょう。それにしても、悲しい結末はとても残念です。

 テレビで先生方が説明されているように、レジオネラ菌については必ずしも入浴が感染の原因ではありません。地中にもいる菌ですから、家庭菜園を楽しんでいる方も感染の可能性はありますし、温浴施設関連のレジオネラ菌による肺炎の発症数はそれほど多くないはずです。

 ただ、お風呂は菌を増殖してしまう環境になりがちです。皆さんが気持ちいい環境は菌にとっても好都合。浴槽や配管のヌメリは大好きな環境です。その上、利用者年齢も高いので発症するケースがあるのです。

 以前は、この施設は塩素臭い……なんていうこともありましたが、今は匂わない薬剤を使って消毒しています。無防備な裸で利用する施設ですから、施設側には十分な衛生管理を望みたいですね!


風呂超爺・太郎の二拠点生活blog

諸星 敏博

有限会社ライフラボ代表 / 一般社団法人 温浴振興協会 代表理事

1953年生まれ。温泉大国長野県で身近に温泉を感じながら子ども時代を過ごす。その影響か、「温泉を楽しむこと」がライフワークに。1990年~2000年代にかけて起きた温泉ブームに、より多くの人に温泉に親しんで欲しいという思いから「お風呂で得するフリーマガジン ゆ~ゆ」を創刊。その傍ら、より安全に気軽に温泉を楽しめるよう各温浴施設のコンサル業務も行い、現在までに50数施設の支援に当たっている。


[スポンサードリンク]