温泉・温浴の四方山話「第12回・温泉危機!?」

温泉・温浴の四方山話「第12回・温泉危機!?」
ゆ〜ゆ本誌にて2013年まで連載していた「お風呂の四方山話」が令和版「温泉・温浴の四方山話」として復活! 愉湯太郎が伊豆高原の秘密基地よりお届けいたします。「風呂超爺・太郎の二拠点生活blog」とあわせ、ぜひお楽しみください(編集部)。

気になる報道

 このところマスコミで温泉の危機が報道されていました。「湯量が減った」「湯温が下がった」などなど……。お風呂ファンとしてはちょっと気になりますよね。

 以前、温泉には火山性と非火山性があることを書きました。昔ながらの温泉地は自然湧出していることが多いのですが、平野部や温泉地の後発井戸は機械で掘削する温泉が多いのです。今はさまざまな情報を駆使してほぼ100%に近い確率で温泉を掘り当てますが、ヒット&ペイという時代もありました。掘り当てたら掘削量を払うという博打のような話です。この温泉掘削については改めて機会があれば書きますね。

 ところで「温泉井戸が枯れた」という話を耳にしたことはありませんか? 実は「ゆ~ゆ」の発行は2000年初頭にあった「温泉疑惑」事件がきっかけです。「入浴剤を入れて利用者を欺いていた」「湧出量が少なくとても温泉とは呼べない」俗にいう目薬温泉など。次から次へといろいろな報道が世間を騒がせました。利用者は温泉について正しい知識を得る機会になりましたし、供給側は襟をただす機会となりました。

 さて、今回の報道は温泉造成のメカニズムからすれば、汲み上げすぎ、地殻変動、気候変動などさまざま推測できます。「くじらが大阪湾や東京湾に現れた」「海苔が取れない」「いままで取れなかった魚が豊漁」「大寒波襲来」などなど……。どれもこれも予期しないことばかりです。

 これらの報道が果たして何を意味しているのか? 気候変動だけでは説明のつかないこともあるようです。私たちにできることは何なのか? 注意深く見守っていきたいですね。


風呂超爺・太郎の二拠点生活blog

諸星 敏博

有限会社ライフラボ代表 / 一般社団法人 温浴振興協会 代表理事

1953年生まれ。温泉大国長野県で身近に温泉を感じながら子ども時代を過ごす。その影響か、「温泉を楽しむこと」がライフワークに。1990年~2000年代にかけて起きた温泉ブームに、より多くの人に温泉に親しんで欲しいという思いから「お風呂で得するフリーマガジン ゆ~ゆ」を創刊。その傍ら、より安全に気軽に温泉を楽しめるよう各温浴施設のコンサル業務も行い、現在までに50数施設の支援に当たっている。


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