いろいろな色があるのはなぜ? 温泉の色のヒミツ

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温泉には泉質がいろいろありますが、いろんな色があることも気になるところ。
そこで今回は温泉の色のヒミツについて紹介します。


 温泉はいろいろな色がある


 日本の天然温泉の色には、無色透明や乳白色、それ以外にも黒・茶色・緑・青などほんとうにいろいろな色があります。それぞれの色は、どういった要素が作り出すのでしょうか。



 どう温泉の色は発色するのか?


 色のある温泉になるのには、さまざまな要素が重なった結果というものが多いようです。では具体的にそれぞれの色はどうやって作られるのでしょうか。


 《黒》

 東京やその周辺でよく見られる「黒湯」と呼ばれる温泉です。都内の銭湯などにも多くありますね。
 これは太古の植物が蓄積した地層から湧出する温泉ですが、そこにはフミン酸という成分を含んでいます。このフミン酸が太陽の可視光線を吸収することで、温泉が黒く見えるのだそうです。


 《乳白色》

 乳白色の温泉は、北海道から九州までたくさんあります。関東では万座温泉や草津温泉、それから箱根などで入れます。また中部地方では長野の白骨温泉も有名ですね。
 温泉に含まれる硫化水素が空気にふれることで酸化し、水に溶けにくい硫黄が硫黄コロイドという微粒子の状態になります。そこに太陽光が当たることでミー散乱という現象が起き、白く見えるようになるそうです。ですから湧出したばかりの空気に触れる前は、無色透明なのだそうです。


 《青色》

 こちらも国内の広域にわたって分布している温泉ですが、主に九州、由布院など大分県や熊本県などで見かけることが多い温泉の色です。
 色は美しいコバルトブルーの温泉などが主で、未だに発色のメカニズムが解明されていないものも多いそうですが、ケイ酸を多く含む温泉は、その粒子が脱水縮合を起こして大きくなり、太陽光が青色の光だけを散乱することで、青く見えるのだそうです。さらに時間が経つとこの現象を繰り返してケイ酸の粒子がより大きく成長し、太陽光の全ての波長が散乱することで、白く見えるようになるそうです。ですからこういった温泉は、湧出してから日を追うごとに、無色透明した→青色→乳白色と変化するそうですよ。


 《緑色》

 緑色の温泉は地域が限られているものの、北海道から九州まで分布しています。緑色だけでなく、状況によってほかの色に変化する温泉もあるようです。
 青色の温泉同様、メカニズムが解明されていないものが多いそうですが、硫化水素の含有量が多いという共通点があるのだそうです。それ以外には温泉の中に存在しているクロレラのような微生物が、太陽の光によって増殖することで緑色に見えることもあるそうです。


 《茶色》

 茶色といいますか茶褐色の温泉は、こちらも全国に分布しています。関東では伊香保温泉、関西では有馬温泉などもそうですね。
 茶色の場合は、鉄分を含む温泉がほとんどだそうです。この鉄分が、空気にふれて酸化することで茶色い沈殿物が発生し、そして温泉が茶色く濁るそうです。


 温泉の成分はもちろん、空気にふれたり太陽光が当たることで、私たちにいろいろな湯の色を
見せてくれているということなんですね。



 機会があったら行ってみよう! 全国にある色いろな温泉


 温泉の発色の秘密がわかったうえで温泉に入れば、より一層楽しめるはずです。そこで、色のある温泉をいくつか紹介します。
※温泉の色が表記が違う場合もあります。


 《黒色の温泉施設》

•極楽湯 和光店(埼玉)
https://yu-yu1126.net/inn/gokurakuyu-wako/

•極楽湯 横浜芹が谷店(神奈川)
https://yu-yu1126.net/inn/gokurakuyu-yokohamaserigaya/

•湯快爽快 たや(神奈川 ナトリウム―炭酸水素塩泉)
https://yu-yu1126.net/inn/yukaisoukai-taya/


 《乳白色の温泉施設》

•箱根ハイランドホテル(神奈川 硫酸塩泉)
http://www.odakyu-hotel.co.jp/highland/

•湯元 斎藤旅館(長野 炭酸水素塩泉)
http://www.shirahone.net/

•高田グリーンランド雲取温泉(和歌山 アルカリ単純泉)
https://yu-yu1126.net/inn/takadagreenland-kumotorionsen/


 《青色の温泉施設》

•庄屋の館(大分 ナトリウム―塩化物泉)
http://www.yufuin-shoya.com/spa/

•小鳥のたより(大分 ナトリウム―塩化物・硫酸塩泉)
http://www.yufuin-kotori.com/


 《緑色の温泉施設》

•日光レークサイドホテル(栃木 含硫黄―カルシウム・ナトリウム―硫酸塩―炭酸水素塩泉)
http://www.tobuhotel.co.jp/nikkolake/

•あじろ磯舟ホテル(静岡 カルシウム・ナトリウム―塩化物泉)
http://www.ajiroonsen.com/


 《茶色の温泉》

•ホテル松本楼(群馬 カルシウム・ナトリウム―硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物温泉)
http://www.matsumotoro.com/

•御幸荘花結び(兵庫 含鉄・ナトリウム―塩化物強塩温泉)
http://www.hanamusubi.co.jp/



 いかがでしたか?
 自宅から遠いという所もあるかもしれませんが、機会があったらぜひ入ってみて、それぞれの色を体感してみて下さい。


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