温泉・温浴の四方山話「第17回・お風呂屋さんのSDGs?」

温泉・温浴の四方山話「第17回・お風呂屋さんのSDGs?」
ゆ〜ゆ本誌にて2013年まで連載していた「お風呂の四方山話」が令和版「温泉・温浴の四方山話」として復活! 愉湯太郎が伊豆高原の秘密基地よりお届けいたします。「風呂超爺・太郎の二拠点生活blog」とあわせ、ぜひお楽しみください(編集部)。

地球の温もりを守るために

 一般的に、スーパー銭湯の営業時間は10:00〜25:00で、ビルインサウナは24時間営業、また、公衆浴場は通常、10:00〜22:00程度です。

 一方、日常浴(体を清潔にするための入浴)では、朝派か夜派、あるいは1日に朝夜2回派といったところでしょうか?

 なぜこんなことを書いているかというと、現在、お風呂屋さんはエネルギーコストの上昇とスタッフの確保の難しさに直面しているのです。

 温泉提供施設でも、草津のように高温で湧出しているケースは少なく、湯船に入れるお湯はボイラーで昇温する必要がありますし、カランのお湯も井戸水を昇温するコストがかかります。

 使用エネルギーの変更、設備機器の変更、節水コマや節水シャワーヘッドへの交換、排水の2次使用など、できる限りの節約に努めてきましたが、さすがに今回のエネルギーコストの上昇は企業努力で吸収できる状況ではないようです。

 湯水のごとく……、確かに温浴施設の醍醐味の一つかもしれません。

 限りある地球の地下資源(温泉)の恩恵を享受しているお風呂ファンも、「持続可能な開発目標(SDGs)」という言葉が世界中で広く言われている昨今、お風呂屋さんの構造を理解して少しだけ意識を変えませんか。

 生活パターンを少し変化させ、お風呂の利用時間を考える。カランのシャワーも出しっぱなしにしない。

「ちりも積もれば……! いつから始めるか、考えてみましょう!」


風呂超爺・太郎の二拠点生活blog

諸星 敏博

有限会社ライフラボ代表 / 一般社団法人 温浴振興協会 代表理事

1953年生まれ。温泉大国長野県で身近に温泉を感じながら子ども時代を過ごす。その影響か、「温泉を楽しむこと」がライフワークに。1990年~2000年代にかけて起きた温泉ブームに、より多くの人に温泉に親しんで欲しいという思いから「お風呂で得するフリーマガジン ゆ~ゆ」を創刊。その傍ら、より安全に気軽に温泉を楽しめるよう各温浴施設のコンサル業務も行い、現在までに50数施設の支援に当たっている。


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