風邪を引いたときのお風呂
何だか突然寒くなってきたわね~。朝、お布団からなかなか出られなくて……。勇気を出してお布団から出たら、体がブルっと震えて「風邪引いたかな?」なんて。
今夜はお風呂でじっくり温まろうと思うけど、風邪を引いたときってお風呂に入っていいのかな?
(姉さん、寒くなってきたからじゃなくて、寝相が悪くてお腹出して寝てるからじゃないの〜?)体調が悪くなければ入っていいんじゃないかな。
ある研究によると、風邪を引いて小児科に来た子供たちに「お風呂に入っていいですよ」と伝え、別日には「お風呂に入らないでください」と一律に伝えた結果、風邪の治りはどちらも変わりがなかったのだとか。
また、面白いことに、年配のお医者さんほど「お風呂に入らないでください」と伝えることが多いらしいよ。次郎のように昭和世代のお家は隙間風ピューピューだったから、お風呂上がりに体が冷えることが心配だったんだろうね。
「体調が悪くなければ」って、けっこう自己判断が難しいところよね。何かわかりやすい判断基準はないかしら?
ぐったり寝込んでいるのでなければ、体温を一つの目安にするといいらしいよ。
医学的には、体温が37.5℃以上あると「発熱」とされるんだって。体温が37.5℃未満であれば入浴可能と考えてもよく、むしろ、汗をかいたりすることを考えれば、疲れない程度に入浴したほうがスッキリするかもしれないね。
逆に、体温が37.5℃を超えていると、体の中で何か悪いことが起きている可能性があるので、お風呂は控えたほうがいいと思うよ。
風邪に効く入浴法
なるほど〜。なんとなく目安がわかった気がする。
ちなみに、37.5℃未満の風邪引きさんの時に効果的な入浴法って? きっと何かあるのよね?
姉さん、鋭いね〜。うん、ポイントは「湯気」にあるんだ。
入浴中に湯気を意識して吸い込むと、痰や鼻水を出しやすくなったりと、風邪の症状が和らぐことがあるんだ。鼻から喉には、線毛細胞という、表面に短い毛が生えた細胞がびっしりと並んでいるんだって。これらは、チラチラと動きながら異物を外に出す働きをしているんだけど、乾燥していると働きが悪くなるんだ。そこで、湯気を吸って湿気を与えると、この線毛細胞の動きがよくなるってわけ。風邪のときだけではなく、花粉症などのアレルギーをもつ方にもおすすめだね。
海外では、呼吸器系の病気治療の一環で、温泉の湯気を吸うことが行われる国もあるそうだよ。
湯気! お風呂に入るときに湯気を意識したことなんてなかったわ〜!!
ほかにも、入浴によって唾液中のIgA抗体が増えたという研究結果も出ているんだって。このIgA抗体は粘膜で働く免疫物質で、鼻や目などの粘膜からウイルスや細菌が侵入しようとするのを防いでくれるんだ。
やっぱり、お風呂は風邪予防や風邪の症状緩和に期待が持てるのね!
そうそう。37.5℃を超える熱がなかったら、体調と相談しながらお風呂に入ってみて。なるべくお湯に顔を近づけて、湯気を吸い込み免疫力を高めよう!
風邪を引かない? お風呂
そもそも、風邪引きたくない……。
冬至にはかぼちゃを食べて柚子湯に入り無病息災を祈るのが習わしだけど、一年で一番寒いとされるこの日に柚子湯に入ると、風邪を引かないって伝えられているね。
今年(2022年)の冬至は12月22日(木)だって♪ そういえばこの時期、お風呂屋さんでも柚子湯を行なっていたりするわよね。
大きな湯船での柚子湯、気持ちいいよね〜。柚子はね、皮に含まれている脂溶性の有効成分なんかが皮膚に薄い膜をつくってくれるんだって。肌の乾燥を防ぐとともに体が冷えるのを抑えるので、保湿や保温の効果が高まるんだ。つまり冬至に限らず、寒いこの季節に体を温めるには、ピッタリのお湯だね。
懐かしい〜。実家には柚子の木があったから、冬になると柚子が浮かんだお風呂に入ったわ。体を温めてくれてたのね〜。
最近は熱を十分に出せない人も増えているそうだよ。日常生活でエアコンのきいた部屋で過ごすことが多いから、汗をかきにくい新陳代謝の悪い体になっているんだって。日頃の入浴で体温を上げ、鈍くなった機能を目覚めさせることも必要だね。入浴が免疫力アップにもつながります!
どんどん寒くなってくるこの時期、冬将軍に負けないように入浴メンテで乗り切ろう〜。
とりあえず、かぼちゃ買って帰ろうかな♪
(柚子じゃないんかーい)
マスター次郎のおすすめするお風呂屋さん
RAKU SPA 鶴見
参考図書:「おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術」早坂信哉著 山と渓谷社