観光と温泉でちょっと遠くへ「加賀・山代温泉」太郎の漫湯記 Vol.56

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秋も深まり、冬へと向かい始めたこの時期に、太郎が向かったのは加賀・山代温泉。
美しい色彩の九谷焼やあの一覧表のルーツなど、歴史と温泉を満喫できる街です。
さあ、今月も太郎と一緒に出かけましょう!

※施設の営業等は変わる場合がありますので、事前に確認してからお出かけください

目次

九谷焼にふれるスポットへ

九谷焼とは

 有田焼を学んだ陶工の後藤才次郎が、江戸時代前期に九谷村で焼いたのがはじまり。その後、廃窯した「九谷焼」は、山代温泉の「吉田屋」が再興しました。そんな歴史にふれ、美しい磁器を鑑賞できるスポットが点在しているので、ぜひ訪れてみては。

石川県九谷焼美術館

石川県九谷焼美術館
「古九谷の杜親水公園」に隣接。様式に応じて学べるよう、展示室は回廊式

 美しい磁器を鑑賞しながら、古九谷、再興九谷、現代九谷と、年代によって変遷する九谷焼を学ぶことができます。2階には、九谷焼でコーヒーを楽しめるカフェを併設しています。

所在地:加賀市大聖寺地方町1-10-13
営業時間:9:00~17:00 ※最終入館16:30
休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館
入館料:一般560円、高校生以下無料
アクセス:JR大聖寺駅より徒歩7分 加賀周遊バス「キャン・バス」14下車
問合せ:0761-72-7466

九谷焼窯跡展示館

九谷焼窯跡展示館
指導員に教えてもらいながら、ロクロや絵付け体験も。挑戦してみては

 見上げるほど大きな、指定文化財で現存最古の九谷窯を見学できます。さらに、かつて工房や住居だった築200年の古民家では、九谷焼の製作工程や使う道具が展示されています。

所在地:加賀市山代温泉19-101-9
営業時間:9:00~17:00 ※最終入館16:30
休館日:火曜日 ※祝日・振替休日の場合は開館
入館料:一般350円、高校生以下無料
アクセス:加賀周遊バス「キャン・バス」6a下車
問合せ:0761-77-0020

あの「あいうえお五十音図」は山代温泉から

創始者は薬王院温泉寺の初代住職

あいうえお五十音図
カラフルな山代の五十音図は、カタカナだけでなく外国語や梵字表記も

 小さな頃に使ったひらがなの一覧表「あいうえお五十音図」。これは、何と山代温泉の薬王院温泉寺で誕生したのだそうです。創始者と言われるのは初代住職の明覚上人。1093年に記した「反音作法」の中にある五十音図が、現存最古のものだそうです。

薬王院温泉寺

薬王院温泉寺
総湯そばに位置。ここから周辺を散策できる「あいうえおの小径」もあり

 地元で「お薬師さん」と親しまれている寺は、僧行基が山代温泉を発見した際に、温泉守護のため建立されたという古刹です。十一面観音菩薩や、明覚上人の供養塔など文化財も多く並び、春はさくらやつつじ、秋は紅葉スポットとしても知られています。

温泉とその歴史を感じる 山代温泉をより満喫するスポット

古総湯

古総湯
床や壁、九谷焼タイルも当時のまま。タイムスリップ気分を味わえます

 明治時代の「総湯」を外観、内装とも復元。約1300年という山代温泉の歴史や、当時の入浴方法や雰囲気などの文化も体感できる「体験型温泉博物館」といった共同浴場です。

所在地:加賀市山代温泉18-128
営業時間:6:00~22:00閉館
休館日:第4水曜日の12:00まで
入館料:大人500円、中人200円、小人100円
アクセス:加賀周遊バス「キャン・バス」5下車
問合せ:0761-76-0144

総湯

総湯
格式ある旧吉野屋の門が目印。売店の「温泉玉子ソフトクリーム」も人気

 魯山人ゆかりの吉野屋旅館跡地に作られた、共同浴場です。内装には地元作家手描きの九谷焼タイルと檜を使用。吹き抜けの天井から空を見ながら、加水なしの源泉を楽しめます。

所在地:加賀市山代温泉万松園通2-1
営業時間:6:00~22:00閉館
休館日:第4水曜日の12:00まで
入館料:大人460円、中人130円、小人50円
アクセス:加賀周遊バス「キャン・バス」5下車
問合せ:0761-76-0144

源泉足湯

源泉足湯
10分ぐらい浸かれば、全身ぽかぽか。タオルは持参して利用してください

 山代温泉発見のきっかけとなった「ヤタガラス」像が目印の足湯です。足を浸してリラックスしたり、温泉水を飲むこともできます。散策中に立ち寄って、ひと休みしてみては。

所在地:加賀市山代温泉18-121甲
営業時間:8:00~18:00 ※4月から10月は~21:00
アクセス:加賀周遊バス「キャン・バス」5下車

おみやげ&グルメに体験も! いろいろ楽しめるスポット

九谷焼体験 ギャラリーCoCo

九谷焼体験 ギャラリーCoCo

 観光案内所を兼ねた九谷焼のアンテナショップ。若手作家の作品展示販売や作陶風景の見学も。また、プロの指導で上絵付けも楽しめるので、旅の思い出づくりにおすすめです。

九谷焼体験 ギャラリーCoCo
所在地:加賀市山代温泉18-115甲1
営業時間:9:30~17:30
休館日:木曜日
絵付け
体験:
1500円~
アクセス:加賀周遊バス「キャン・バス」5下車
問合せ:0761-75-7116

はづちを楽堂

はづちを楽堂

 イベントスペースも備えた施設です。併設の「はづちを茶店」では地元産ミルクのソフトクリームなどスイーツを味わったり、雑貨の販売も。ひと休みやおみやげ探しもおすすめ!

はづちを楽堂
所在地:加賀市山代温泉18-59-1
営業時間:9:30~18:00 ※変更の場合あり
休館日:水曜日 ※祝日は営業
アクセス:加賀周遊バス「キャン・バス」5下車
問合せ:0761-77-8270

大江戸温泉物語 山代温泉 山下家

 山代温泉の中心、総湯の目の前に建つ、お城のような外観が印象的な山下家。開湯1300年の歴史を持つ山代の湯をゆったりと楽しむことができる老舗温泉宿です。

大江戸温泉物語 山代温泉 山下家

 最上階に位置する展望露天風呂は、果てしなく広がる加賀平野を眼下に望む絶景が自慢で、思いっきり手足を伸ばして開放的な気分でご入浴いただけます。

 同じく最上階には、こちらも眺望が自慢の貸し切り露天風呂もご用意(有料)。密を避けてゆっくり温泉に浸かりたいお客様にご好評をいただいています。

大江戸温泉物語 山代温泉 山下家

 お風呂上りはお待ちかね、大江戸温泉物語自慢のグルメバイキングをどうぞ。新鮮なお造りや、ライブキッチンから焼きたてをご提供するステーキなど、定番の美味しさの他にも、「じわもん」のご提供に力を入れています。

 「じわもん」とは金沢の言葉で、家庭で食される料理、また、地元で獲れる新鮮な野菜や果物などの地物の農作物を意味します。冬に向かって甘みを増す地元産の蕪や葱を使った料理、加賀味噌を味のベースにした一品。加賀藩の時代から親しまれている金沢の郷土料理「治部煮」など、地元食材や郷土の美味しさでおもてなしいたします。

 心づくしの料理に合わせて楽しみたいのは、酒どころ石川の地酒。近隣の白山市や小松市で醸される地元の酒をお手頃価格で取り揃えています。

 2月末日まで、かに食べ放題も開催中。温泉で温まって、地元の美味しい物を食べる。冬の温泉旅行の醍醐味を楽しみに、落ち着いた雰囲気が魅力の山下家に足を運んでみませんか?

所在地:〒922-0242 石川県加賀市山代温泉18-124
電話番号:0570-041261
料金:【1泊2食付きスタンダードプラン】10978円~
*1泊2食付き、大人2名様1室利用時
HP:https://yamashitaya.ooedoonsen.jp/

山代温泉 山下家 温泉効能レポート

美肌になりたい人は注目! 加賀百万石の絶景の湯

 松尾芭蕉をはじめ山本周五郎、棟方志功、山下清、谷崎潤一郎、吉川栄治など、著名な文化人、芸術家に愛されてきた加賀温泉郷。

 高僧・行基が傷口を湧き水で癒す烏を見て、その湧き水が温泉だったことが山代温泉の始まりといわれています。

 泉質はナトリウム・カルシウム‐硫酸塩・塩化物温泉。筋肉疲労や、冷え性を改善できると言われています。塩化物を含んでいるので保湿効果も高く、肌の蘇生を促し、美肌効果が期待されます。文字通り塩を含んでいるお湯なので体がよく温まる保温効果の高い温泉です。

 ゆっくりと露天風呂に浸かって、季節で移り変わる加賀百万石の絶景を眺めながら日頃のストレスを忘れ、文人、芸術家に愛されたお湯を堪能しませんか。

(温浴振興協会理事/諸星敏博 談)

山代温泉周辺地図

山代温泉周辺map
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山代温泉への交通アクセス

車:北陸道加賀I.Cより約15分
電車:JR加賀温泉駅より車で約10分、もしくは加賀周遊バス「キャン・バス」利用
HP:今回ご紹介した情報はここでチェック!
山代温泉▼▼▼
https://yamashiro-spa.or.jp/

いかがでしたか?

温泉が恋しくなるこの季節に訪れるのにぴったりな山代温泉。
美しい九谷焼もぜひ堪能してみてください。


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