太郎の漫湯記 Vol.46 静岡県・熱海伊豆山温泉

太郎の漫湯記 Vol.46 静岡県・熱海伊豆山温泉のサムネイル

世界全体が激震した一年だった昨年。
さまざまな不安が残る中で明けた今年は、これからを強く生き抜く力を付けたいものです。
そこで2021年最初となる太郎の旅は、熱海伊豆山温泉へ。
歴史ある温泉とそれを守護する神様のパワーにあやかりに出かけましょう!

※施設の営業状況などは、確認してからおでかけください。

目次

日本三大古泉「走り湯」の洞窟へ

走り湯の起源

走り湯
小角が修行した時に「無垢霊湯」など金色の文字が湯とともに流れたそう

 1300年以上の歴史があり、道後温泉、有馬温泉と並ぶ日本三大古泉、「熱海伊豆山温泉」の源泉です。この湯を発見したのは、役行者小角(えんのぎょうしゃおづぬ)。流刑となって送られた伊豆大島をたびたび抜け出していたある時、伊豆山海岸から五色の湯煙が上がるのを目撃。そこに小屋を作って湯を浴び、近隣の山々で修業したことが始まりだそうです。

走り湯
詳細を記した看板あり。まずはここで概要を知ってから中に入ってみて

洞窟に湧く湯

走り湯
湧き出た温泉が飛ぶように海岸へ流れ落ちる様子から、「走り湯」と命名

 「走り湯」は、珍しい洞窟のような横穴式の源泉。ここから、近隣の宿へ温泉が送られています。かつては毎分900ℓほどの湯が噴出していましたが、乱掘が続いた影響で、現在は毎分170ℓほどだそう。源泉温度は今も変わらず70℃ほどあるそうですが、伊豆大島が噴火した際は上昇することも。泉質は石膏泉で、皮膚病などに効果があると言われていますが、塩分や苦みが強くなった現在は、神経痛などにもいいと言います。

歴史上の人物も堪能した湯

源実朝の歌碑
町に残る歌碑も。仲秋の名月には、実朝を偲ぶ歌会が毎年行われています

 源頼朝や北条政子をはじめ北条早雲や徳川家康、千利休や古田織部といった茶人など、歴史上の多くの人物も堪能したという走り湯。中でもこの地と縁が深いのは、鎌倉幕府三代将軍の源実朝です。湯を堪能しただけでなく、初代将軍の頼朝にならって、箱根権現や三島明神との三所詣として伊豆権現を8 回訪れているそう。実朝の私家集である「金魂和歌集」に伊豆にちなんだ歌が多いのが、それを物語っています。

所在地:熱海市伊豆山604-9
アクセス:JR熱海駅からバス乗車、逢初橋下車後、徒歩5分、約170段の石段途中
※見学する際は、日中の明るい時間にお願いします

1年の祈願は伊豆山神社へ

伊豆山神社とは

伊豆山神社
走り湯の守護神である伊豆山神社。開府後の頼朝らも数回訪れています

 松葉仙人が相模国・唐浜で見つけた神鏡を伊豆山に祀り、走湯権現を伝承したのがはじまりです。伊豆へ島流しされた頼朝が、この別当蜜厳院の僧に師事していた頃、政子と恋に落ち、父・時政の猛反対にあいながらも無事に結ばれます。この歴史的なロマンスや、境内に二人が腰かけたと言われる石が残ることなどから、縁結びの神としても有名です。

伊 豆山神社4月の例大祭
頼朝や実朝の時代にタイムスリップしたような伊豆山神社4月の例大祭
逢初橋
神社近くの逢初橋は、別人との婚礼から逃げた政子が頼朝と再会した橋

赤白二龍

赤白二龍
正しい縁へ導き福徳が得られるという赤白二龍で、しっかりとお清めを

 伊豆山神社で驚くのは、口から水を流す手水舎の白と赤の龍。これは、日金山から岩戸山までが、富士山から入ったその龍の胴体、伊豆山権現の場所を目、浜町内の花水を鼻、走り湯を呼吸する口と、天高く昇るめでたい龍を伊豆山に例えて信仰され、水を掌る白龍と火を掌る赤龍が力を合わせて温泉を湧出することを表したものだそうです。この二龍も、強運や天下取りの御利益があると、厚く信仰されています。

お参りしながら散策も

雷電社
源氏、足利氏、徳川氏など将軍家に崇敬された、政治を司り導く「雷電社」

 その名の通り伊豆山に鎮座する神社には、本殿のさらに上にある本宮社のほか、さまざまな境内社が点在。また、これまでのお話にも登場した二龍が迎える手水舎や頼朝と政子が愛を語ったと伝わる腰掛石のほか、伊豆山の歴史などについて知ることができる郷土資料館(有料)もあります。四季折々の山の景色も楽しめますので、さまざまな境内社詣りをしながら、ひと時の散策を楽しんでみては。

足立権現社
役行者小角を祀る「足立権現社」は、運命開拓の神で強足になる信仰あり
所在地:熱海市伊豆山708-1
アクセス:JR熱海駅からバス乗車、伊豆山神社前下車後、約170段の石段を昇る
問合せ:伊豆山神社 0557-80-3164
HP:https://izusanjinjya.jp/

「伊豆山神社 境外社」機会があればここへもお参りに

 伊豆山神社は、境内にもさまざまな神社がありますが、境内の外にも2 つの神社があります。その一つが「走湯神社」です。平安時代の書である「塗塵秘抄」には修験道の霊験の地と記され、神様の湯とあがめられている走り湯。その洞窟の真上に鎮座するこの神社は、走り湯源泉の守り神として創建され、古くから信仰の対象とされてきました。伊豆山神社とともにお詣りしたい神社です。

走湯神社
湯が病を治して長寿になると古くから神格化して建立された「走湯神社」

 もう一つが「初木神社」。後に夫婦となり、日金山に仕える「伊豆権現氏人之祖」となる男女の赤ちゃんを引き取って育てたという初木姫を祀る神社です。ただし、こちらがあるのは初島ですので、熱海伊豆山温泉を訪れた時に同時に訪れるのは難しいかもしれませんが、島に行く機会があれば、ぜひお詣りしてみてください。

熱海伊豆山温泉 効能レポート

日本三大古泉の一つとして知られる湯は出世の湯

 今から約1300年前に発見された、日本でも珍しい横穴式源泉「走り湯」。四国の道後温泉、神戸の有馬温泉と並び、日本三大古泉の一つとして知られています。湯冷めしにくい泉質は、身体を芯から温めるため冷え性の方におすすめ。また、日頃のデスクワークなどで疲れが溜まっている肩をじんわり温めてほぐせば、肩こり改善にも効果的です。慢性的な肩こりにむ人は、試してみてはいかがでしょう。

 平安時代末期、走り湯のすぐ前の岩風呂に浸かり旗揚げを決意した源頼朝が、後に鎌倉幕府を開くことから「出世の湯」とも言われています。伊豆山は源頼朝と北条政子が愛を育んだ地、古のロマンスに思いを馳せながら湯に浸かってみてください。

(温浴振興協会理事/諸星敏博 談)

熱海伊豆山温泉を満喫できる宿「熱海伊豆山 ホテル水葉亭」

熱海伊豆山 ホテル水葉亭

 相模灘と伊豆山を臨むロケーションにあり、海と山、両方の眺望が楽しめます。リゾート感ありながらも落ち着いたデザインにまとめられた館内は、くつろぎの空間で訪れる人を迎えてくれます。

熱海伊豆山 ホテル水葉亭

 ご入浴は水平線から昇る朝日を楽しめる絶景の露天風呂(男女入替制)や、広々とした大きな窓から相模灘の絶景を望む男女入替制の大浴場「蒼海(そうかい)の湯」「森羅(しんら)の湯」で。森羅の湯では日本三大古湯「走り湯」をかけ流しで楽しむことができます。

 夕食は、約20 メートルのライブキッチンコーナーから提供される出来立ての料理が並ぶ創作バイキング。海が近い伊豆の宿ならではの豊富な魚介類を、お刺身やお寿司で。また季節ごとに変わるバリエーション豊かなメニューを堪能できます。

 客室は「上質さ」を感じる心地よい空間で、快適なひとときを。相模灘を一望できるオーシャンビューのお部屋など、スタンダードに加え、アップグレードタイプのお部屋もあるので、目的に応じて利用されてみてはいかがでしょう。

 四季に彩られる景色に包まれ、3本の源泉から引湯する天然温泉で寛ぎ、心ゆくまで豪華海鮮料理が味わえるホテル水葉亭で、日頃の疲れを癒しませんか。

所在地:静岡県熱海市伊豆山190-1
問合せ:0570-060268
料金:【スタンダードプラン】相模灘を臨む絶景満喫バイキングプラン
1泊2食付 バイキング10,978円(税込)
日帰り
利用:
なし
HP:https://suiyotei.ooedoonsen.jp/

熱海伊豆山温泉周辺地図

熱海伊豆山温泉周辺マップ
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熱海伊豆山温泉への交通アクセス

電車:JR熱海駅よりバスで各所へ
HP:今回の詳細情報はここでチェックを
https://www.izusan.com/

いかがでしたか?

まだまださまざまな懸念が残る中ですので、マスクをつけて極力蜜を避け、うがい・手洗いを忘れずに、強運を見方にする旅を楽しみましょう。


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